中小企業の経営者から最もよく聞く悩みの一つが、「特定の人がいないと回らない」という問題です。これは採用で解決できる問題ではありません。組織の構造と権限の設計を見直すことが先です。この記事では、組織設計の最初の3ステップを具体的に説明します。

ステップ1:判断の流れを可視化する

まず、社内で日々どんな判断が行われているかを書き出します。「誰が、どんな判断を、どの頻度でしているか」を一覧にするだけで、判断が特定の人に集中していることが見えてきます。この作業は、現場スタッフへのヒアリングなしにはできません。経営者が思っている「判断の流れ」と、現場が経験している「判断の流れ」は、ほぼ必ず違います。

ステップ2:権限マトリクスを作る

判断の流れが見えたら、次は「誰が何を決めていいか」を明文化します。権限マトリクスと呼ばれる表で、判断の種類と、それを誰が承認するかを整理します。重要なのは、「承認が必要な判断」と「報告だけでいい判断」を分けることです。多くの中小企業では、報告だけでいい判断まで経営者の承認が必要になっており、これがボトルネックになっています。

ステップ3:マネージャーに権限を渡す練習をする

権限マトリクスを作っても、実際に権限を渡さなければ意味がありません。最初は小さな判断から始めます。「この金額以下の発注は、マネージャーが承認する」というルールを1つ決め、3ヶ月試してみる。うまくいったら範囲を広げる。この繰り返しが、組織の自律性を育てます。

採用より先にやること

「人が足りないから採用する」という判断の前に、今いる人が動ける構造になっているかを確認してください。採用しても、権限が曖昧なままでは新しい人も動けません。組織設計の見直しは、採用コストを下げる効果もあります。

組織設計の見直しは、一度やれば終わりではありません。事業の成長に合わせて、定期的に見直す習慣を持つことが重要です。Trelzov Zoneでは組織・人材開発支援の初回相談を無料で受け付けています。